PR|本ページにはアフィリエイトリンク(広告)が含まれます

光の勘定 HIKARI NO KANJOU — 光と退色の記録

附録0–D

このサイトについて

光の勘定がなぜあるのか、何を根拠にしているのか、何を売らないのか。この前提をまとめておく。

なぜこのサイトがあるのか

フィギュアや書籍の帯、飾ったポスターが少しずつ褪せることは、多くの人が経験している。そこで「UVを遮れば退色は防げる」という話が広く信じられている。私もその前提を一度は持っていた。

しかしカナダ文化財保存研究所(CCI)の技術文書を読むと、光に敏感な色ではUVが担う退色の割合は半分未満、しばしば1割程度と書かれている。残りの大半は、UVではない光、つまり見るために当てている光そのものによるものだ。フィルタを一枚足したところで、浴びる光の量そのものは変わらない。

この食い違いを整理したい、という一点からこのサイトは始まった。UVカット製品の宣伝文句と、保存の専門機関の見解が同じ土俵で語られている場面を、少しでも減らしたい。

何を根拠にしているか

このサイトの中核となる引用・数値は、すべて次の文書から取っている。

公的機関の技術文書

Stefan Michalski, "Agent of Deterioration: Light, Ultraviolet and Infrared"

Canadian Conservation Institute(カナダ文化財保存研究所、カナダ政府機関)

CCI 技術文書 — Agent of Deterioration: Light, Ultraviolet and Infrared

本文の主張、Table 1・2a/2b・4、Figure 3a/3bの観察。ここに載せた数値と引用は、この文書に出典を明記したうえで引用したもので、こちらの実験や独自の計算ではない。

このサイトが売らないもの

「光を減らすもの」に掲げる商品は、届く光の量か、照らされている時間を減らす性質が仕様で確認できたものに限る。遮光・不透明・調光・時間制御、どれも浴びる光の量を下げる手段であって、退色そのものを止める保証ではない。

UVカット製品を、退色対策の主たる解決策として勧めない。CCIの文書は、敏感な色ではUVの寄与が小さいこと、露光量を減らすこと以外の選択肢はないことを示している。出典がその効果を限定している以上、正直にその範囲で書く。UVフィルタは寄与の小さい一要因を減らすものとして扱えるが、退色を止めるとは書けない。

書いている人の立場

私は保存の専門家ではない。出典を確認し、引用の範囲で整理している立場だ。断定できないことは断定しない。読者の部屋の照度や、所持品の光への感度はこちらからは分からない。退色までの年数を計算することもできない。

分からないことは「言えること/言えないこと」に書いた。正直でなければ意味がない、という方針はこのページも同じである。